2018年3月、OCTADOMEの解体、撤去が完了しました。

 

OCTADOMEは鳴川研究室が2016年6月より慶應義塾大学SFCの正面階段上部に設置されていたドーム構造物です。1年8ヶ月の野外設置の間に,夏の台風3回と震度3程度の地震を経験しました。また雨と紫外線でどれだけ木材が劣化してゆくのか,その中でどのくらいこのドームの構造体に冗長性があり安全が担保されるのかを観察して来ました。

FAB CAMPUS最初の展示作品として展示が始まり当初は不安もありましたが、経過は上々で四季折々の景色にもよく馴染み、結果として期間中一度修復を入れることになりましたが、予想以上に堂々と立ち続けました。

槙文彦先生の設計によるSFCの象徴的な美しいモダニズム建築の中で、OCTADOMEの幾何学的な構造とても相性がいいように思われました。
設置期間中SFCの広報や学校案内にて紹介されました。また某ラーメンが大好きな女子高生が主人公のアニメの舞台にも使用されたこともありました。学生が雪や新緑と一緒にOCTADOMEが写っている写真をSNSにアップしているのを見かけたりと、予想以上の反響がありました。

予定通り解体時には構造解析から導いた強度と実際の構造物の比較実験を行いました。ドーム構造の接合部に結んだロープに学生がぶら下がって何人分の重さに耐えるか、どこから壊れるかを検証しました。解析結果よりも実際には構造的な強度が出ていたことがわかりました。

このドームはファブキャンパス委員会において,大型ファブ作品を設置する際の諸問題を検討する目的で実験的に実施しました。ファブキャンパス委員会,管財の皆様に大変お世話になりましたことをこの場をお借りしてお礼申し上げます。

OCTDOME解体1

OCTDOME2

解体前の構造実験の様子。50kg x8人が同時にぶら下がりたわみ具合を検証中。

OCTDOME3

組み立てた時と全く逆の手順で解体してゆく。

OCTDOME4

レンチなどを使い、破壊せずパーツごとに解体して行きます。

OCTDOME5

解体途中。

 

OCTDOME6

解体完了。