丹青社人づくりプロジェクト2018-THREE DEGREE CHAIR
THREE DEGREE CHAIR
鳴川研と丹青社新入社員により設計・製作された、小さな椅子です。
丹青社人づくりプロジェクト
鳴川研究室は丹青社の新人研修「人づくりプロジェクト」にデザイナーとして参加し、丹青社の新入社員とともに2017年5月から約100日間で小さな椅子の設計・製作を行いました。この椅子は狭い研究室内で使用することを想定し、小さいながらも良い座り心地や魅力的な佇まいを追求しました。
-小さないす-
最大横幅390mm、縦幅430mm、高さ700mmの小さないす。椅子としての最低限のサイズと機能を持たせました。また、子供用椅子に見えないようプロポーションのスタディを重ねました。原寸大の発泡スチロール製の模型をカッターで削りながら椅子の足や座面の形を決めてゆきました。
-付加価値をつけない
椅子のデザインを進めるにあたって,余計な付加価値をつけない,というルールを与えました。例えば「座面の下が収納になる」とか,「4つ椅子を並べるとベッドになる」などの余計な付加価値をつけたデザインは椅子そのものの形のスタディをないがしろにする,と考えたからです。
-薄すぎず、軽すぎない-
モダニズムの美学が陥りやすい薄さや軽さの探求はしないよう心がけました。角度によって太く見えたり薄く見える形状を彫刻のようにみんなで探求し,退屈しない造形を目指しました。
-後ろ脚3°、座面6°-
後ろ脚と座面にわずかに角度をつけることにより、スタッキング機能と椅子としての佇まいを両立させました。結果的に3度下に開く後ろ脚と前に向かって6度広がる座面を持った椅子が出来上がりました。