正確な時刻や暦は日常生活において必要です。高精度なものほどいいという価値があります。 一方で、場所や季節による環境変化の違いは無視され、均質化しています。 人類が発展させてきた「時間を精密に測定する技術」の影にある、自然環境の一年の流れに注目し、 グラフィカルに表現しました。
太陰暦/ 不定時法/ グレゴリオ暦/ 世界標準時UTC/ 土地固有の時間の認識枠組み/共通の時間の認識枠組み
1年:ツバキの花芽から種子
1日:アサガオの開花から閉花
開花には日照(夜の長さ)や気温が関係しているので、環境変化を表す指標として見ることができます。
1つずつの植物のサイクルを意識させる作品を目指しました。それらを重ねることで、時の流れを見出すことができるようにします。
※サーカディアン・リズムとも呼ばれる。約25時間周期で変動する生理現象。体内時計ともいう。
一つの植物の開花日を各地点で観測すると開花の移ろいを観測することができます。
それを複数の植物を重ね合わせることで、花の開花で一年を感じることができます。
植物の開花時期はそれぞれ異なります。咲く花を順に並べて花暦(カレンダー)を製作しました。
一日のうちに花が咲き、しぼむ花があります。それを一日花と呼びます。それぞれの花は決まった時刻で咲く概日リズム(体内時計)を持っています。一日花を咲く時間の早い順に並べていくと、大まかな時刻を知ることができます。
音声もつけてお楽しみください。
気象庁の季節観測の開花日(リンク)の平年値をもとに、作成しています。
27種類の植物の開花日を比較しています。 12/1から11/30までを時間の流れで表現しています。
また、動物季節観測の情報から、鳥の声や虫の声も追加してあります。
3ヶ月で1冊、合計4冊です。 側面のグラデーションは季節のイメージに合わせて変化します。合計8色の色上質紙を使っています。
うすむらさき、白、さくら、桃、サーモン、もえぎ、みず、レモンの8色。
植物の開花時期はそれぞれ異なります。
神奈川で咲く花を順に並べて花暦(カレンダー)を製作しました。
透過の表現を使い、前後に境目なくつながることを目指しました。 1年は循環しているので、リング製本にすることで、表現しました。
共通化された暦に地域性を見出すには、自分の周りの花の開花に注目して暦を作ることがいいのではと思いました。 それを簡単にできるキットを作りました。
アサガオ、ハス、マツヨイグサのそれぞれの開花で時刻を知ることができるパタパタ時計を製作しました。
実際の開花にかかる時間、開花する時刻を元に製作しています。
盤面の印刷はUVプリンタを利用しました。印刷表現を探求しました。
筐体の製作は3Dプリンタとレーザーカットを利用しました。
パタパタと動く様子です。
1日が60枚、24分に1枚めくれます。
UVプリンターの厚塗りを使い、裏からも表からも綺麗に見えるように拘りました。
材料:PET
筐体設計:石田花恋(鳴川研)
側面のボタンを1回押すと1枚めくれます。長押しすると1周します。
プロジェクトを紹介したサイトを制作しました。
より詳しく説明しておりますので、よろしければこちらもご覧ください。