Newton Planetarium Dome

科学誌ニュートンからの業務委託により、ダンボールで製作できるプラネタリウムドームを開発しました。

 2016年3月、大平技研により家庭用投影機「MEGASTAR CLASS」が発売され、プラネタリウム館のような150万個の星が180度全方位に広がる星空表現を個人で楽しむことが可能となりました。それに伴い、Newton 創刊 35 周年特別号の企画として、一般人でも簡単に手に入るダンボールとボルト・ナットを使って組み立てられる簡易組み立て式プラネタリウムドームを設計しました。

 ジオデシックドームの構造を元に、正八面体の各面を構成する正三角形を分割し、2つの三角形で球体を表現しています。それに土台部分の三角形を加え3種類のパーツでこのドームは構成されています。各パーツを、街中のファブラボでレーザーカットできるサイズ・素材に設定することでプラネタリウムドームを個人で製作することが可能です。ダンボールを切り出し組み立てることで、軽量なドームを16000円という低予算で製作することが可能です。レーザー切り出し時間は全部で6時間。組み立て時間は5人で約1時間程度。最終完成形のドームは高さが2m、直径が2.4mです。

 また、各パーツは「休日に簡単に組み上げられる」、「平日にはしっかり収納できる」ということもコンセプトにしています。少ないスペースで収納ができるようにパーツ同士を重ねることができる設計です。レーザー加工機でちょうど三角形一枚分を切り出せる大きさであること、天井にぶつからない範囲でなるべく大きくするということを重視して設計しました。ボルト穴は、外部からの光が漏れて入ってこないように3箇所でしっかり固定できるよう設定している。ダンボールパーツは 2種類の三角形パーツとも40 枚。それに加えて基礎部分のダンボールパーツが8 枚。これらをカットして組み立てます。切り出すダンボールの寸法は広く使われているレーザーカッターの加工寸法を考慮し 1200×600mm以内に収めています。

 このプロダクトは詳細図面とともに、ニュートン2016年7月号に掲載されています。

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