The Forum Setagaya – Nodal Echoes

The Forum Setagayaのご好意でテンセグリティ270とテンセグリティツリーを展示する機会をいただきました。シェアオフィスとして使われている大きな和風邸宅のメインルームを展示スペースとして提供いただきました。この和風邸宅の気品を崩すことがないように展示物を上記2つのメイン展示に限定し、左右対称の配置を慎重に設計し展示設営しました。

This exhibition features Tensegrity 270 and the Tensegrity Tree. A refined main room of a traditional Japanese house was assigned as the exhibition space. To preserve the elegance of the architecture, we limited the display to these two main pieces and carefully designed a symmetrical layout for their installation.

展示会全体風景 外部の日本庭園と連続した空間を見出さぬよう,小さなキャプションパネルのみ取り付けた。 写真撮影: Tomohiko Tagawa
テンセグリティ270   写真撮影: Tomohiko Tagawa

TENSEGRITY 270

史上最軽量と謳われたテンセグリティ構造。その特許に示された「最良の実施形態」が果たして実現可能な実施例なのか?実際に作って検証したものがこの作品です。特許にはこの球体を単一長さの棒270本で作れると記載されています。しかし球体ドームを単一材で作ることは不可能です。部材種類を最小に減らしたものがジオデシックドームです。バックミンスター・フラーの代表作です。それでも部材種類は数種類です。これを1種類で済ますという特許の実施例を私は疑っていました。今回、実際に製作してほんとにできることが確認できました。

この作品は、鳴川研山下麗さんが 修士論文「テンセグリティを用いた展開性のある建築空間の設計-立体幾何学からの検証と実制作を通して設計・施工手法を開発する-」の主題として制作した作品です

T E N S E G R I T Y T R E E

ねじれのある多角錐形状のテンセグリティです。フラーはテンセグリティを「技術開発」したため正多面体に合理を求めました。でもテンセグリティには造形的魅力があります。テンセグリティを発見したケネス・スネルソンは技術的な合理性にとらわれず躍動感のあるかたちを探求しました。

本作品はイッセイ・ミヤケ オム・プリッセのために制作され国内外の店舗にて展示したものです。本作品は正多面体の対称性を崩してつむじ風のような動きを表現しています。服はからだを包み,からだのかたちはうごきをはらんでいます。 そんなうごきある佇まいを作りました。

技術的には13個を安定して量産し、各国に空輸する課題がありました。梱包時の3辺合計を抑えるために本体を二分割し、フェデックスで運ぶ。そして現地店舗スタッフが確実に本体を合体させ、テンションを張らせる。そんな手順を確実に実践できるようなつくりを時間を費やして設計しています。

 

企画制作:HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE

製作協力:株式会社鎚絵

製作:石田花恋,小林虎太郎,豊福裕美子,前田大輔,春田空良,長谷川愛



テンセグリティ・ツリー
立ち入り禁止の赤いコーンを立てる代わりに円形の枯山水を床に作りゆるやかに境界を作り出した。
枯山水の砂紋を作るためのジグを制作しました。

<開催概要>

Nodal Echoes  Narukawa Lab | Goshi Uhira

結節と広がり  鳴川研究室|宇平剛史

会期:2024年3月2日(土)– 3月10日(日)

会場:THE FORUM Setagaya

企画:野本綾子 協力:THE FORUM Setagaya

<担当学生>

主担当:張子皓

通期メンバー:仙田向日葵、張子皓、山本凛

基本設計:仙田向日葵、張子皓、山本凛

実施設計:張子皓

(五十音順)

<関連作品>

Tensegrity 270, Issey Miyake Tensegrity Tree, Forum, AuthaGraph